和を以て貴しとなすという文化は、7世紀に成立した日本最初の成文法と言われる十七条憲法の第一条に書かれています。
つまり、私たち日本人は飛鳥時代から、争うことを嫌い、何よりもまずは”和”だった訳であります。
一方、グローバライゼーションの進む世界において、日本の外交や態度はよく言えば、紳士的、品格があると見られる反面、ただのお人好し、プリンパルのない骨抜きの国と見られることもあると思います。
私自身は、日本人の調和を重んじる性質を、周りの目を気にする村的な社会と悪く捉えて、海外に飛び出したり、これまでも外資系の会社でしか働いてきませんでした。
ところが、娘が生まれてからは、より良い日本の未来を子供達に残すためにも、日本人の文化や特質を否定するのではなく、もっと日本の良いところを知るべきだと思い、松岡正剛先生の本を初め、日本の歴史や文化に関する本を読み始めました。
最初に挙げた、”和を以て貴しとなす”の例に関しても、
私自身の勝手な解釈では、空気を読んで、長いものに巻かれろ、周りに同調しなさいという意味に捉えていましたが、
本来の意味は、
一部の人間の意見だけで物事を決めるのではなくて、和らぐの状態を作って皆の意見を出しながら物事を決めなさいという意味だと知りました。意見は違って当然、だからこそ皆で議論をして決めなさいということなのです。
また、和の精神とは、体裁だけを取り繕ったものではなく、自分にも他人にも正直に、不満があればお互いにそれをぶつけ合い、理解しあうことが本質である、と聖徳太子は語っているのです。
このことを知り、私自身の浅はかな知識を恥じ入るとともに、今から1400年も前にこんなにも立派な憲法を持っていた日本をすごいと思うとともに、日本人であることに誇りを感じることができました。
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