Magpie Murders (邦題;カササギ殺人事件)を読み終わったのでレビューしてみたいと思います。
この小説、ジャンルはミステリーもしくは探偵物 (英語では通称 “whodunnit” ”誰がやった”)に分類されます。
日本でも翻訳版が出版され、このミステリーがすごい2019年版の海外部門で1位を受賞するだけでなく、その年のミステリーランキングの賞レースで四冠を取ったことで大変評判になっています。
450ページを超える大作なので、英語の原書で読むには、やはり内容自体が面白くないと途中でギブアップしてしまうことがありますね。
ということで、読後感はどうだったかというと、期待を裏切らずに大変面白かったです。内容に引き込まれて、飽きることもなく、一度も本を閉じたくなることもなく読み終わることができました。
もともと私自身小学生の頃から、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ物を皮切りに、アガサ・クリスティやエラリー・クィーン 、ヴァン・ダインなど海外物の探偵小説を読みあさっていました。
本編作者のアンソニー・ホロヴィッツも探偵物がとても好きだったようで、本作でも、あちらこちらにアガサ・クリスティのオマージュとなる仕掛けや背景が出てきます。
何よりも画期的なのが、カササギ殺人事件という題名の探偵小説(時代背景は1955年の英国のとある田舎町)を読み続けていると、次に背景が現代に戻り、現在のシーンでは、カササギ殺人事件の作者(アラン)が自殺してしまうという展開になります。さらに話を面白くしているのは、この作者の編集者であるもう一人の主人公(スーザン)がアランの自殺を他殺だと疑い、もう一つの犯人探しが始まることになります。
いわゆる作中作品と現在の物語が混在してどちらも一級のミステリーとして楽しめる作品に仕上がっています。このようなプロットを考えた作者のアイデアの勝ちだなと思いました。ちなみにこの作品構想から書き終えるのに15年もかかったとのことです。
英語もそんなに難解ではないので、ぜひチャレンジされてみては如何でしょうか。
コメントを残す